布川国賠を支援する会はなぜ生まれ、何をしようとしているのか?  
2012年11月26日
中澤 宏さん(「冤罪・布川事件の国家賠償請求訴訟を支援する会」事務局長)

布川国賠11月12日、東京地裁に訴状提出

 昨年5月、事件発生から44年ぶりに再審・無罪を勝ちとった冤罪・布川事件の元被告桜井昌司さんは、冤罪の責任を問うために11月12日、東京地裁に国家賠償請求訴訟を起こしました。谷萩陽一弁護団長は記者会見で、国賠の意義について、@桜井さんの国民としての権利救済(慰謝料請求)、A検察(国)・警察(県)の責任を明らかにする、Bなぜ冤罪が生まれたかを検証し司法改革につなげる、ことであると述べました。
 これに先立つ10月1日、東京の文京区民センターで68名が出席し「冤罪・布川事件の国家賠償請求訴訟を支援する会」結成総会が開かれました。
 「布川国賠を支援する会」は、「反省なき検察・警察の責任を追及し、『自白』強要と証拠隠し・捏造を明らかにし、全ての証拠が裁判で開示されるシステムをつくりたい」という桜井さんの熱い想いに応えるために、布川事件、大崎事件、東電OL殺人事件などの関係者が中心となって、6月から9月まで4回の準備会を重ねて誕生したものです。代表委員には、新倉修(青山学院大学法科大学院教授)、豊崎七絵(九州大学法学研究院准教授)、里見繁(関西大学社会学部教授)の各氏が選ばれました。

検察・警察の捏罪責任を問う!(11月15日現在会員約200名)

 「布川国賠を支援する会」の中心メンバーは、さまざまな冤罪事件を支援するなかで、警察や検察による@「自白」強要と供述その他の証拠の捏造、A無実の証拠隠しが冤罪の原因として共通していることを認識しました。そして、冤罪を防止するために、@取調べの全面可視化、およびA検察官手持ち証拠の全面開示法制化を実現することが欠かせないと考えるようになりました。
 そんなとき、布川事件元被告の桜井さんは、布川事件を冤罪としていまだに認めていない検察(国)と警察(県)の責任を問い、冤罪の大きな原因となっている無実の証拠隠しや証拠の捏造、「自白」強要をなくすために、国家賠償請求訴訟を起こす決意を固めたことを知り、支援組織づくりに立ち上がりました。
 「布川国賠を支援する会」の目的は、直接的には国家賠償請求訴訟を勝利させることですが、運動を通じて「冤罪を防ぐためには取調べの全面可視化と検察官手持ち証拠の全面開示法制化がどうしても必要だ」という世論を高めて、その実現を図ることが重要だという共通認識のもとに活動しています。
 現に冤罪犠牲者救援のために活動しておられる方々、冤罪をなくしたいと考えておられるすべての方々と手を携えて、冤罪そのものをなくす重要な闘いでもある「布川国賠」に勝利するために奮闘する所存です。多くの皆様の入会とご支援をお願いいたします。
 (2012年11月15日)


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