裁判所は憲法にもとづいた判断を!  
2014年1月27日
シンポ「貧困と憲法」
※クリックすると詳細が表示されます(PDF)
 1月25日、シンポジウム「貧困と憲法」が東京都内で開催されました(主催は第二東京弁護士会・日本弁護士連合会)。いま、生活保護の切り下げ、失業、ワーキングプアの深刻化など様々な貧困問題の解決が求められますが、シンポは、この問題を憲法の視点で考える場となりました。
 シンポでは笹沼弘志・静岡大教授(憲法学)が基調講演しました。笹沼教授は、貧困者の自立支援のための行政の対応とその問題点などを自らの支援活動の実践経験を含めて明らかにしつつ、日本国憲法は貧困問題解決のためにどう活用され得るのかを説明・問題提起しました。また、この問題についての昨今の裁判所の判断についても分析しました。それは、裁判所が、生活保護基準を厚生労働大臣が策定するにあたっての考え方に関わることでした。最近裁判所は生活保護基準の策定にあたって、当然とはいえ、生活保護法の規定を厳格に適用する必要性を強調するようになってきている、ということなどです。
 生活保護の基準や適用をめぐる裁判が増えてきている中で、笹沼教授は裁判所の判断の変化に着目しながら貧困問題の解決をはかっていくことについて問題提起しました。(H・O)