当番弁護士制度  
2010年5月10日
 当番弁護士制度とは、弁護士会が毎日担当の当番を決め、被疑者やその家族等からの依頼により、被疑者の留置・勾留されている場所に弁護士が出向き、無料で接見して相談に応じる制度です。
この制度は1990年に弁護士会のボランティア活動としてスタートしました。当時、起訴後の被告人には国選弁護人制度がありましたが、被疑者段階には国選弁護人制度がなく、そのため被疑者の防御にとって最も重要な捜査段階に弁護人の支援が受けられない事態が続いていました。当番弁護士制度は初回の接見を無料(弁護士会が負担)として被疑者に適切なアドバイスをし、その後は私選弁護人選任となりますが、必要に応じて刑事被疑者援助制度(日弁連)を活用して被疑者の弁護を支援するものです。
当番弁護士制度が全国的に普及した成果として、2006年に一定の重罪事犯を対象として被疑者国選弁護制度が導入されましたが、全ての被疑者を対象とした国選弁護制度が実現していない現在、当番弁護士制度はなお被疑者弁護に重要な役割を果たしています。