論稿「被疑者・被告人の身体拘束の在り方」 筆者:T・S
2015年1月5日
 「法制審議会 ― 新時代の刑事司法制度特別部会」で検討された課題のうち、被疑者・被告人の身体拘束の在り方についての豊崎七絵・九州大学准教授の論稿です。
論稿では、「特別部会」では被疑者・被告人の身体拘束の現状に対する批判や抜本的な制度改革の提案が弁護士や一部学者メンバーからあり、それらが、「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」(2013年1月)、「調査審議の結果 最終とりまとめ」(2014年7月)に到るまで、どのような議論と結果になったかを検討し分析しています。
 代用監獄制度や勾留要件・保釈要件の見直しなどの抜本的改革の提案は警察・検察・裁判所・一部学者などから強い反対にあい、「特別部会」では改善がみられない結果になりました。論稿は、警察・検察を中心とした、現状の被疑者・被告人の身体拘束に固執する姿勢やその勾留観の克服の必要性を訴えています。

 この論稿は『刑事司法改革とは何か 法制審議会特別部会「要綱」の批判的検討』(2014年9月、現代人文社)に収載されています。