書籍『傍聴弁護人から異議あり!』(その3) 筆者:H・O
2013年11月25日
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 本書には少年事件や外国人の事件の裁判員裁判の実際の例も紹介されています。
 本書の最後は、裁判員裁判での被告人の弁護活動に精力的にたずさわっている、坂根真也弁護士が、裁判員裁判のこと、裁判員裁判での弁護活動のことを、著者・北尾トロさんからの質問に答え語るものとなっています。
 ここでは坂根弁護士が、自身の裁判員裁判での弁護活動の経験を披露するとともに、裁判員裁判を担当する弁護士をめぐる全体的な状況をかなり率直に語っています。これを読むと、もっと市民は裁判員裁判における弁護士の弁護活動に注目すべきことがよくわかります。司法を市民本位のものに改革することを考えたとき、裁判所・裁判官をめぐる問題点に目が行きがちですが、弁護士の仕事ぶりにも注意を払っていきたいと思います。
 
【書籍情報】
2013年10月、現代人文社から刊行。著者は多数の裁判関係の著書を持つ、フリーライターの北尾トロさん。定価は1,700円+税。