書籍『法廷はことばの教室や! −傍聴センセイ裁判録』(1) 筆者:H・O
2013年7月29日
 高校で国語を教える教師・札埜和男さんが裁判の法廷などで法律家たちが発言する言葉をめぐる諸問題について分析・問題提起する書です。
 本書は3つの章で成り立っていますが、その第1章にあたる「第1回公判」は「法や裁判にかかわる人たち」です。“人間味ある言葉”で被告人に接した裁判官、日本語を話すことができない当事者の気持ちを正確に伝えようと努力する法廷通訳人、当事者双方の言い分を真摯に聞いて問題解決に務める調停委員、受刑者の心の安定をサポートする教誨師、遺体が発する“言葉”を読み解こうとする法医学者、裁判当事者の法廷での言葉と気持ちを正確に記録する速記官、子どもや家庭内の問題の解決をサポートする家庭裁判所調査官、等々が紹介されています。それは、裁判当事者や法律家の間でとりかわされている言葉に着目しながら、裁判や法的解決の意義やそのあり方を語るものとなっています。

<つづく>
 
【書籍情報】
2013年7月、大修館書店が刊行。著者は札埜和男さん(高校教員)。定価は本体1,300円+税。