論稿「不起訴となった検察・虚偽捜査報告書」 筆者:H・O
2012年9月24日

 大阪地検特捜部の検事が証拠を改ざんした(村木事件)ことが発覚し、不正を働く政治家や経済人を摘発する検察への国民の信頼が失墜しました。検察はいま、国民や弁護士会などの要求をふまえ、取調べの録画・録音(=可視化)などで、これまでにない改革をすすめつつあります。ところが、検察は必ずしも改革に本気でない、むしろ組織の悪弊を温存しようとしていると厳しく指摘する論稿です。
 検察は、小沢元民主党代表の資金団体の政治資金報告書をめぐる事件で、小沢氏を不起訴としました。ところが、小沢氏起訴に執念を燃やす検事たちが検察審査会に対して起訴議決を誘導しました。その検事たちは検察上層部に虚偽の報告書を作成しましたが、検察は大甘な処分にとどめたのです。筆者であるジャーナリスト・江川紹子氏はこうした経過を明らかにし、検察の体質の問題点を解明しています。
 この論稿は月刊「世界」(岩波書店)2012年10月号に収載されました。