論考「『法律家』間の社会的分業に関する雑感」 筆者:H・O
2012年7月2日

 司法書士や裁判所書記官などは隣接法律職種として位置づけられています。弁護士法によって法律事務は弁護士が担うことになっており、司法書士などは弁護士とは違う、とされているのです。しかしこんにち、司法書士なども市民に対して法的サービスをしていることは誰も否定できないでしょう。
 弁護士と司法書士などとの関係はこれまでの司法制度改革の中で、いつも先送りされてきました。法的サービスの担い手の関係・あり方を整理しておくことは、そのサービスを受ける市民にとっては基本的に大事なことです。
 この問題について長年問題提起を続けてきた江藤价泰教授が、あらためて状況を分析した論考です。日本においては本来分業関係であるべき関係が往々にして上下関係となっている、との分析などは、なるほどと思いました。
 この論考は長谷川正安先生追悼論文集『戦後法学と憲法――歴史・現状・展望』(杉原泰雄・樋口陽一・森英樹編、2012年5月、日本評論社)に収載されています。