談話「小沢判決から見る、日本の政治 司法 メディア」 筆者:H・O
2012年6月11日

 長年政治記者を務めてきた早野透さん(現在桜美林大学教授)の談話です。
 元民主党代表・小沢一郎氏は、検察審査会の2度の議決によって、政治資金規正法違反の罪を問われて起訴されました。本年4月、小沢氏は無罪になりましたが、判決は小沢氏にまつわる「政治とカネ」の問題の疑わしさを示しました。判決は同時に、これまでの検察の捜査の進め方に様々な問題があったことも厳しく指摘しました。小沢氏は控訴され、裁判は続くことになりますが、小沢氏の政界における影響力は大きく、早野さんは、今後の政局の展望・可能性を分析・提示しつつ、この事件・裁判を通して、司法をめぐる今日的な論点に言及しています。
 日本の検察や裁判所は、これまで政治権力の不正に対してきびしく対峙することもありました(ロッキード事件など)。しかし、こんにち検察の独善・驕りも国民の知るところとなってきています。早野さんは、金権政治を許さず、同時に検察ファッショも許さない、このことをどう考え、実現していくのかを国民に問う時代になっていると語っています。
 司法に対する国民の関心が高まりつつあるいま、冷静かつ積極的に考えていく必要があるでしょう。
 この談話は「月刊マスコミ市民」2012年6月号に収載されました。