提言「裁判員制度の3年後『見直し』に向けた提言」 筆者:H・O
2012年1月23日

 今年2012年、裁判員制度の「見直し」が行われることになっています。この「見直し」にあたって青年法律家協会弁護士学者合同部会がとりまとめた提言です。
 2009年からスタートして裁判員制度は一般市民が裁判員となってプロの裁判官とともに重大事件の刑事裁判をおこなう制度であり、日本の司法制度を大きく変えることになりました。この提言は誤判防止と被告人の防御権保障の必要性の観点から、公判前整理手続や裁判員の量刑判断への関与、裁判員裁判への被害者参加制度は再検討されるべきことを述べています。また、裁判員裁判の対象事件や裁判官の裁判員への説示のあり方、被告人の選択権、無罪判決に対する検察官控訴などの見直しについては強く主張するものとなっています。裁判員の守秘義務の見直しも強く求めています。
 裁判員制度についてはそれを評価する意見と懸念する意見が対立しています。国民は裁判員裁判の状況をもっとリアルに知ることができなければ評価をくだしにくい状況があります。その意味でも裁判員の守秘義務の見直しなどには期待したいと思います。この提言が今後の議論が広がる契機になればと思います。
 提言は青年法律家協会弁護士学者合同部会が発行する「青年法律家」(号外、2011.12.30)に掲載されています。