書籍『新版 わたしたちと裁判』 筆者:H・O
2011年11月28日

 中学生・高校生向けに裁判の制度と役割・あり方についてわかりやすく説明する本です。髪型の自由をめぐる裁判のことから始まり、中学生・高校生は裁判と法について身近な問題として感じ考えることになるでしょう。
  この本は大人が読んでも裁判と法についての基本的な知識を確認することができます。中学校・高校の社会科の教科書にも裁判と法のことがいろいろと書かれていますが、その基本的な考え方をじっくり学習し、自分なりに考えたことのある人は、そう多くはないのではないでしょうか。たとえば、刑事裁判における「疑わしきは被告人の利益に」という原則について自分なりに納得できている人はどのくらいいるのでしょうか。この本は、具体的な裁判の例なども紹介しながら説明するとともに、この間の司法改革の状況や裁判を担う人々=裁判官や弁護士、検察官の仕事と役割などについても学べるようになっています。著者・後藤昭教授自身の考え方も示されていますが、読者自身の頭で考えていく本となっています。

 
【論文情報】
2006年、岩波書店から「岩波ジュニア新書」として刊行。著者は後藤昭・一橋大学大学院法学研究科教授。定価は本体820円+税。