書籍『冤罪弁護士』 筆者:H・O
2011年10月31日

 満員電車の中で痴漢をしたという濡れ衣を着せられることに、多くの男性が心配するようになっていますが、冤罪事件にはいろいろなケースがあります。
  終電近くの電車で酔っぱらって寝てしまった乗客から財布を抜き取る犯罪があり、間違った目撃証言で無実の人が有罪にさせられそうになった事件、夜中に自動車で逃走し事故を起こした運転者を警察官が見間違った事件、上司に反抗的な会社員を懲戒解雇にしようと上司らがでっち上げた事件、等々、本書では著者・今村核弁護士が自ら担当した実際の冤罪事件を紹介しています。
  そして、警察からの呼び出しは拒否できないか、検察官はどのような場合に起訴するのか、等々、捜査や裁判など刑事手続きの流れに沿って、その本来のあり方と実際の運用、その問題点も綴っています。
  裁判員制度が始まる中で、どのような状況の中で冤罪事件が生まれているのかをリアルに示し、刑事司法のあり方を学ばせてくれる書です。

 
【書籍情報】
2008年、旬報社から刊行。著者は弁護士・今村核氏。定価は本体1,600円+税。