書籍『司法改革の時代 −検事総長が語る検察40年』 筆者:H・O
2011年10月24日

 2001年に司法制度改革審議会の意見書をとりまとめられ、それにもとづく司法制度改革がすすめられました。そこに至る司法改革の動きと今般の司法制度改革の意義などを、法務・検察の中心的担い手としての経験をふまえて綴った書です。
  日本は戦後経済成長をなしとげましたが、1980年代頃からアメリカを中心とする諸国の日本に対する圧力が強まることになりました。そして、日本の司法制度もその標的の一つになりました。著者は外国人弁護士受け入れ問題を担当した当時を振り返りながら、法曹人口問題や法曹養成、司法へのアクセス、司法への国民参加、などの改革の背景・狙いなどについての考え方を語っています。日本の刑事司法についての評価には違和感を感じるところがありますが、自分なりの問題意識を率直に表明していることも多く、法務・検察の考え方を知る上で興味深い内容となっています。

 
【書籍情報】
2009年、中央公論新社から刊行。著者は法務省事務次官や検事総長などを歴任した但木敬一さん。定価は本体760円+税。