書籍『明日の法律家へ 5 −司法改革を語る』 筆者:H・O
2011年9月19日

 1999年に司法制度改革審議会が設置され、2001年に意見書をまとめるために精力的な検討がすすめられました。その最中、伊藤真の司法試験塾(現在の伊藤塾)が連続的に開催する講演会の講演録集を司法改革の視点でまとめたのが本書です。消費者問題、マイノリティの権利、刑事事件と刑事司法制度、少年審判、企業法務、ドイツの司法制度、等々が弁護士や当事者、司法記者などによって語られています。裁判官も裁判の実情を示し、その改革を訴えています。講演録集なので、いずれもわかりやすい内容です。同時に、司法改革への強い期待や決意に溢れるものとなっています。
  司法制度改革意見書にもとづくその後の司法改革(司法への国民参加=裁判員制度、法律家の増員、司法へのアクセスの拡大=法テラスなど、等々)が、それまでの司法の現状をどのように変えたのか、という観点で読んでみても有益ではないかと思われます。

 
【書籍情報】
2000年6月、日本評論社から刊行。伊藤真の司法試験塾・法学館編。定価は本体価格1,700円+税。