人質司法の解消を!  
2014年1月6日
刑事・少年司法研究センター設立記念講演会
 
 2013年12月21日、刑事・少年司法研究センター設立記念講演会が東京都内で開催されました。
講演会では元裁判官である木谷明さんが講演しました。木谷さんは、「罪証隠滅の恐れ」を理由に被疑者が必要以上に勾留されたり、あるいは勾留された被告人への弁護人の接見が制限されている、などの状況を、実際に関わった事件を例にこんにちの人質司法の深刻な実態を明らかにしました。そして、「現状を打開するために、研究者、実務家が一体となって新たな理論構成による方向性をさぐるべきである」として、具体的な研究課題を問題提起しました。
このほかに、村井敏邦教授が「再審をめぐる最近の理論と実務の状況」と題して講演しました。
刑事・少年司法研究センターの目的は「人権尊重、適正手続(デュー・プロセス)及び少年の健全育成の実現の視点から、国内外の刑法、刑事訴訟法、刑事政策及び少年法(以下刑事法と総称する。)に関する研究及び教育に関わる事業、刑事法の研究及び教育の推進・奨励に関わる事業、刑事法に関する実態及び意識についての調査研究事業、情報収集及び提供事業を行い、広く刑事法における人権尊重、適正手続及び少年の健全育成の趣旨、内容を広めること」としており、その活動の発展が期待されます。(H・O)
 
* 刑事・少年司法研究センターには、当サイトの運営にあたっている大出良知教授、当サイトで「刑事事件・裁判考」を連載している村井敏邦教授も理事として参加しています。