犯罪連鎖を断ち切る  
2013年11月25日
イベント「それでもボクはやってしまう…」
 
 刑事裁判で被告人に刑を科し、刑務所に送る目的として、被告人がふたたび過ちをおかすことのないよう更生する、ということも重要です。ところが「それでもボクはやってしまう」という犯罪連鎖が後を絶ちません。11月23日、これを断ち切る方策を考え、そのために受刑者等に対する教育の現状・問題点を問うイベントが東京都内で開催されました(主催は監獄人権センター)。
 イベントでは受刑者の更生などについて研究し、実際の実務にもたずさわっている岡本茂樹・立命館大教授などが報告しました。その報告では、刑事裁判の問題点についての言及もありました。それは、少なくない受刑者が自分の裁判について、事件の経緯や自分の言い分が歪んで評価されたと不満に思っている、ということでした。岡本教授の報告の主眼は、刑務所がそのような受刑者たちに、とにかく反省を求める、しかし反省しようがないところがあり、改善されるべき、ということだったのですが、筆者は刑事裁判それ自体も改革される必要性を、あらためて強く感じることになりました。被告人が有罪になり、刑務所に送られる場合でも、被告人が本当に納得できるような刑事裁判にすることは、犯罪連鎖を断ち切る上でも大事であると言えるでしょう。(H・O)