外国籍調停委員の採用を!  
2012年12月3日
シンポ「外国籍者の公務就任権を中心として民族的少数者の人権」
※画像をクリックすると詳細を見られます

 2012年11月28日、東京弁護士会・憲法問題対策センターがシンポジウム「外国籍者の公務就任権を中心として民族的少数者の人権 −『国民』概念の再構築− 」を開催しました。
 日本社会では、外国籍者は公務員になれても管理職にはなれない状況が続いています。管理職は公権力を行使するので日本国籍が必要、というのです。裁判所においても弁護士会が推薦する外国籍調停委員候補の任命を拒絶する事態が続いています。今回のシンポジウムはこの状況を改めることを目指して開催されました。
 シンポジウムでは森政稔・東大教授が「外国人の権利と民主主義の思想空間」と題して講演し、国民主権という概念を問い直す必要性などを語られました。パネルディスカッションでは、東京都の保健師・鄭香均さんが日本国籍を持っていないことを理由に管理職への就任が認められなかった裁判のことなどを語られ、また殷勇基弁護士も同じ理由で裁判所の調停委員への就任が認められていないことが報告されました。シンポジウムでは浦部法穂・神戸大学名誉教授(=法学館憲法研究所顧問)がビデオ出演しました。浦部教授は、基本的には、公権力を行使するしないに関わらず「日本に生活の本拠を置く外国人」には日本国民と同等の権利が保障されるべき、との考えを表明し、政府や裁判所の対応を批判しつつ、国民の意識改革の必要性も訴えました。