論稿「『新時代の刑事司法』改革の全貌 −何が議論されているのか」 筆者:H・O
2014年3月17日
 
 大詰めを迎えている法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」(以下特別部会とする)の議論状況を解説する、司法ジャーナリスト・日比谷二郎さんの論稿です。
 特別部会の事務局を担当する法務省は本年6月までにそこでの議論の結論を出したいようです。捜査機関による被疑者の取調べの録音・録画(可視化)の法制化などを目指して設置された特別部会ですが、可視化の範囲を限定する案が強く主張されるようになってきており、論稿は特別部会で激しい議論になっていることを明らかにしています。
 なお、特別部会の検討のメインは上記の取調べ可視化ですが、ほかにも刑事司法改革の様々な案が議論されています。論稿は、捜査にあたっての警察の通信傍受の範囲の拡大、裁判における検察による証拠リストの開示、いわゆる「司法取引」の導入、等々をめぐる特別部会の議論の状況も解説しています。刑事司法システムの全面的見直しの検討に際して、国民の関心と注視を広げていかなければならないでしょう。そのことを感じさせてくれる論稿です。
 この論稿は雑誌「世界」(岩波書店)2014年2月号に収載されています。