報告集「誰のため、何のための法曹か──法科大学院と法曹養成制度をいま、問い直す」 筆者:H・O
2013年1月7日

 日本民主法律家協会発行の「法と民主主義」2012年12月号がタイトルの特集を組みました。2012年11月に開催した司法制度研究集会での各氏の報告を掲載しています。
 法科大学院制度ができて8年を経過しましたが、それは当初構想された、社会が求める法律家を増やすための適切な法律家養成システムとして確立された、とは言えない現状にあります。どこにどのような問題点があり、どう解決するのかが探られた集会でした。
 ここに収められた報告は次のとおり多彩です。多くの法科大学院教員や弁護士などが分析し提言しています。
  「法科大学院と法曹養成制度をいま、問い直す──法科大学院『堅持』でいいのか」
  「法科大学院は豊かな法学研究・教育の場になっているか」
  「研究者養成の危機と法科大学院」
  「司法修習の現状と課題」
  「法律家を目指す若者の意識と現状──法科大学院の学費負担・給費制廃止・就職難の中で」
  「弁護士増員と法科大学院は、市民の望む法律家を育てているか」
  「法科大学院制度改革案の検討──問題点の整理を踏まえて」
 筆者は法科大学院制度創設の理念には積極的な面が多いと考え、法科大学院制度を全面的に改編すべきとの主張には同意しかねますが、多くの報告は法科大学院と法曹養成制度をめぐる状況の問題点を認識する上で参考になりますので、ご紹介します。