書籍『弁護士の夢のカタチ』(その1) 筆者:H・O
2012年12月10日

 かつての新入社員の多くは、職場の先輩から社会人としての生き方、仕事の仕方を学んでいましたが、最近ではそれを「理論化」「定式化」して学校で教えたり、書籍で学ぶことが増えているようです。この本も若い弁護士が生き方、仕事の仕方を学ぶものとなっています。
 この本は2部構成になっていて、第1部はイソ弁が独立するまでの軌跡が物語風に綴られた「ある若手弁護士の夢と独立のお話し」です。独立を決意するも、いったい自分がどのような夢を持ち、どのような仕事をしたいのか、そのような仕事をするための経済的な基盤をどう築いたらよいのか、などを具体的に考えてこなかった主人公がいろいろな先輩や同僚の助言を得ながら、独立への準備をすすめていきます。
 いま、司法制度改革の結果、弁護士の数が増え、若手弁護士が事務所に就職できないとか、仕事がないといった状況が生まれています。しかし、自分なりの夢を描き、それを実現する計画を具体化して努力するならば、成功する可能性はある、というメッセージが伝わってきます。
 司法の改革には弁護士の役割が決定的に重要です。若手弁護士をめぐる最近の状況をリアルに掴むことができる本です。弁護士をめぐる様々なデータや用語解説も充実しています。

<続く>

 
【書籍情報】
2012年11月、安曇出版から刊行。編者は日本弁護士連合会若手法曹サポートセンター。定価は本体2,000円+税。