訪問記「延世大学ロースクール訪問」 筆者:H・O
2012年5月7日

 司法試験等の受験指導校=伊藤塾が韓国などへの2011年度スタディツアーの文集を発行しました。そこに訪問記「延世大学ロースクール訪問」が収載されました。2011年6月に延世大学ロースクールを訪問したときのことが報告されています。
 韓国では2009年度からロースクール制度が始まりましたが、それは日本のロースクール(法科大学院)制度とは若干異なっています。2004年から始まった日本のロースクール制度は当時の規制緩和の動きの中で多くのロースクールが「乱立」することになり、予想より多くのロースクール生が生まれることになりました。その結果、ロースクール修了生の司法試験合格率は当初予定より低い状況になってしまい、その後ロースクール人気は下落してしまいました。こうした日本の状況を見ながら、韓国ではロースクールと学生定員の数をかなり絞ることになりました。
 韓国のロースクール制度は多様な人材を受け入れることにしたことも特徴的です。ロースクールを設立する大学の法学部は廃止するという徹底ぶりで、ロースクールは法学以外の多様な知識と経験を持った人々の受け入れを重視しています。これも同じような理念を掲げながらも「中途半端」な制度にとどまってしまった日本の状況をふまえて制度設計されたとのことです。
 延世大学ロースクール訪問ではこうしたことなどのレクチャーを受けてきたとのことです。韓国では今年はじめてロースクール修了者が司法試験を受けました。今度は日本が韓国から学び、ロースクール制度のよりよき改革をすすめる必要があるでしょう。

伊藤塾の2011年度スタディツアー文集は下記ページから伊藤塾に請求できます。
https://www.itojuku.co.jp/ssl/seikyu/index.html