裁判官の多忙な様子、その中で「疑わしきは被告人の利益に」という刑事司法の原則とは逆に、裁判官が被告人はみな有罪であると判断しがちなこと、その背景には、法の正義に違うような検察の取調べや起訴があり、さらには弁護過誤も起きている結果として冤罪が生まれていること、などがレポートされた書です。また、弁護士の仕事と主張が社会的に検証されることがあまりなく、そのようなことが一連の司法改革に関わる弁護士会内の意見対立にもつながっていること、破産管財人の選任とその報酬をめぐる不可解な状況、などのレポートも興味深い内容です。
この書では、以上のような法律家をめぐる問題状況のほかに、人の死の死因の究明がきわめて不十分となっていることとその背景、人を罰するということをめぐる日本人と最近の状況の特徴、など司法をとりまく社会状況などもレポートされています。
司法というものとその問題点、その背景などについて考える書です。 |
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