2009年8月10日(月)
8月3日、全国初の裁判員裁判の公判が東京地裁で開廷された。殺人罪に問われている被告人は起訴事実を認め、裁判員は量刑を中心に判断を求められることになり、6日、検察官の求刑=懲役16年に対して懲役15年という判決を言い渡した。
この公判にあたり地裁は73人の裁判員候補者に呼び出し状を発送、6人に呼び出し状が届かず、仕事や家庭の事情で事前に18人の辞退が認められたので、公判初日(8月3日)の選任手続きには49人が出席を求められた。2人は出席せず、実際に地裁に出向いたのは47人だった。その中から、2人が当日辞退を希望して認められた。くじで選任された裁判員は女性5人、男性1人だった(公判3日目に女性の一人が体調不良のため男性の補充裁判員と交替)。公判では裁判員全員が被告人に質問するなどした。
8月6日、裁判員は判決後の記者会見に出席し、裁判についての感想を語った。
58席の傍聴席を求め、公判初日(8月3日)には市民ら2382人が長い行列をつくった。2日目・3日目にも多数の市民らが長い行列をつくった。
初の裁判員裁判の様子は各新聞社が連日報道し、テレビも「同時進行」的に経過を報道した。
8月3日、日弁連は「裁判員裁判第1号事案の公判開始にあたって」とする会長談話を発表し、「よりよい刑事裁判」の実現のための運用改善と制度改革の提案を続けていくことなどを明らかにした。
  なお、8月3日からの東京地裁での裁判員裁判第1号事件に続いて、8月10日〜12日、さいたま地裁で殺人未遂事件(起訴事実争いなし)についての公判が始まる。9月には全国各地で多くの公判が予定されている。