韓国と対比して公益通報制度を考える  
2015年2月23日
シンポジウム「『情報』をめぐるを二つの保護法」(1/26)
 1月26日、東京弁護士会・日本弁護士連合会主催のシンポジウム「『情報』めぐるを二つの保護法 『公益通報者保護法』と『特定秘密保護法』 -韓国の公益通報制度との対比から考える」が開催され、日韓の公益通報制度の現状や問題点・課題などが議論されました。
 公益通報制度の目的は日韓とも通報者の保護の点では共通していますが、韓国は通報の支援を重視し、報奨金制度があることが際立った違いといえます。
 シンポジウムでは、韓国のチョンジングクさんの報告が注目されました。チョンさんは、会社内の不正を社内の監査室に内部告発したことから、いじめを受け、懲戒免職処分に至り、法廷闘争を行ってきたことを報告しました。
 質疑応答の中では、韓国では報奨金制度があるためプロの通報者が存在し、食品の販売時の包装の有無や飲食の提供物の違反などの事案で小さな事業者が通報される例が多く、弊害もみられるが、報奨金制度の廃止の声は少ない、ということも明らかになりました。
 日韓とも、本来の目的である通報者の保護の実効性が大きな課題です。(T.S)