戦前・戦中の司法の責任を考える  
2013年12月9日
映画「レーン・宮沢事件」
 
 映画「レーン・宮沢事件 −もう一つの12月8日」の上映会(11月30日)があり、参加してきました。
 1941年12月8日は日本軍が太平洋戦争を始まった日ですが、レーンさんというアメリカ人教師と宮沢さんという大学生が逮捕された日でもあります。この事件を描いた作品です。それは宮沢さんがレーンさんら外国人と親しく接していて、その会話の中に軍事機密も含まれていたとして、それを聞いたレーンさんなどとともに軍機保護法違反で有罪とされた事件でした。宮沢さんが語ったことは決して重要な機密ではなく、実は外国人とのつきあいが問題視されたのが真相のようです。映画は、国家機密が重要視される社会がやがて人々の自由を奪っていく、ということを警鐘しているようです。
 映画の中で、レーンさん、宮沢さんの裁判の経緯も語られていますが、その関係資料の多くは闇に葬られたとのことでした。戦前・戦中の司法は戦後の司法にも少なからず引き継がれています。その責任を考える必要性も感じることになりました。(H・O)