「この国から死刑だけはなくしたい」  
2013年10月21日
響かせあおう 死刑廃止の声2013
 
 初めて再審によって確定した死刑判決を覆した免田栄さんは「この国から死刑だけはなくしたい」といまも各地で訴えています。88歳を迎える免田さんは、10月12日に開催された「世界死刑廃止デー企画 響かせあおう 死刑廃止の声2013」にも登壇し語りました。
 1980年代、免田さんを皮切りに4人の死刑囚が再審で無罪となりました。4人は無実なのに命を絶たれようとしていたのですが、その一歩手前で死刑台からの生還を果たしたのです。国家は取り返しのつかない過ちを犯す寸前でした。そのような事態から、当時日本も死刑制度廃止への機運が高まりましたが、しかしいまなお死刑制度は存続しています。世界の趨勢は確実に死刑廃止に向かい、もはや死刑を存続させている国は少数になってきているのに。
 免田さんはこのイベントで、“日本の警察官や検察官などが天皇制というピラミッドの中に組み込まれてしまっており、それが警察官や検察官の多くが無実の者の叫びに冷淡である重要な背景となっている”という趣旨のことを強調して語りました。司法とその担い手のあり方・改革を考える上で多くの人の示唆となる指摘だと思いました。(H・O)