取調べ可視化、証拠開示を!  
2012年11月12日
日弁連シンポ『冤罪はこうしてつくられる』
シンポで訴える冤罪被害者のみなさん

 2012年11月9日、日弁連が再審連続シンポジウム「冤罪はこうしてつくられる PartT−捜査・公判の実態」を開催しました。
 まず、足利事件の菅家利和さん、布川事件の櫻井昌司さん・杉山卓男さん、東電OL事件のゴビンダ・プラサド・マイナリさんが冤罪被害の経験と冤罪をなくす必要性を訴え、福井女子中学生殺人事件の再審請求人の父・前川禮三さんが息子さんの雪冤への協力を訴えました。
 続いて、足利事件、布川事件の元弁護人が裁判の経過をふまえながら、冤罪を防ぐための課題について報告しました。パネルディスカッションではジャーナリスト・青木理さんなどが、冤罪が生まれる原因・背景を分析しました。討論の中では大阪の東住吉事件や熊本の松橋事件の例も紹介されました。
 これまで、別件逮捕などをして代用監獄の密室で長時間の取り調べをすることによって虚偽自白をとっていくという捜査手法が続いてきました。そして、弁護人が関係する証拠の開示を求めても検察官が被告人に有利な証拠は開示しない状況も続いています。いま弁護士会が要求している取調べの可視化や証拠開示システムの確立などの重要性が浮き彫りになるシンポジウムでした。