「口封じ訴訟」を考える  
2012年10月15日
横行する「口封じ訴訟」をはね返す集会
「『原発フィクサー』訴訟と闘う田中稔さんを勝たせる会」のリーフから

 裁判はできればやりたくない。大方の人の感覚です。ところが、やたらと提訴する動きが一部で現出しているようです。力を持っている者が自らの力を維持するために、歯向かう者を提訴し、口封じをはかっているというのです。名誉毀損だとして法外な損害賠償を請求する訴訟のことです。「口封じ訴訟」とかスラップ訴訟と呼ばれます。
 大企業などからいつ提訴されるかわからない、などという社会になったらたまりません。また、こうした提訴の横行によって、大企業の横暴な経済活動を暴こうとするジャーナリストの口が封じられるようになったら、国民の知る権利は大きく制約されることになります。このように主張するたたかいが始まっています。
 2012年10月5日、出版労連・全印総連主催の「『押し紙』新聞社、原発フィクサー、疑惑ファンド 横行する『口封じ訴訟』をはねかえす集会」が開催され、そこでも企業などに異議申し立てをしている人たちが企業から訴えられていることが次々と報告されました。また、裁判でそうした動きにお墨付きを与えるような判決が下される事態も生じているとのことでした。集会ではジャーナリストの田中稔さんがスラップ抑制法制定の必要性を訴えました。
 司法制度を考える重要な課題の一つであると思われます。
(編集部)