「WEB 市民の司法 〜裁判に憲法を!〜」 は、裁判が日本国憲法にもとづいて行われることを望み、法学館憲法研究所(所長:伊藤真)と「司法改革・市民フォーラム」(代表:大出良知・東京経済大学教授)が共同で運営します。
 
2018年12月27日(木)
【村井敏邦の刑事事件・裁判考(84)】
ゴーン日産前会長の事件
村井敏邦さん(一橋大学名誉教授)
 
 自動車会社日産の会長だったゴーン氏が東京地検に逮捕されました。容疑は、会長報酬の過少記載で、金融商品取締法違反ということです。この事件には、刑事法上の問題がいろいろあります。
 まずこの事件の捜査が司法取引によって開始されたことです。第二に、勾留期間の問題です。第三に、この罪のほかに特別背任罪も問題になっていることです。

ゴーン事件と司法取引
 司法取引については、適用第一号事件は、制定の目的として当局が言っていたこととは違うのではないかという指摘をこの欄でしました。オレオレ詐欺などの組織犯罪について、その全容を解明するための手段として導入されたというのが、立案当局の説明でした。 …