「WEB 市民の司法 〜裁判に憲法を!〜」 は、裁判が日本国憲法にもとづいて行われることを望み、法学館憲法研究所(所長:伊藤真)と「司法改革・市民フォーラム」(代表:大出良知・東京経済大学教授)が共同で運営します。
 
2018年11月28日(水)
【村井敏邦の刑事事件・裁判考(83)】
保護室収容中の被疑者・被告人と弁護人との接見について(2)
村井敏邦さん(一橋大学名誉教授)
 
本判決の問題点
 最高裁判所は、基本的には接見妨害の可能性を認めつつ、特段の事情があるかないかについてさらに審議するようにとして、福岡高裁に事件を差し戻しました。この最高裁の判断は、先に述べた、保護収容中に面会の申し出があった場合について、刑事収容施設法に何ら規定がないことについて、最高裁は次のように解釈した結果出たものです。
 すなわち、最高裁は、このような規定がないことは、「保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人等からあったとしても,その許否を判断する時点において未決拘禁者が同条1項2号に該当する場合には,刑事施設の長が,刑事施設の規律及び秩序を維持するため,面会を許さない措置をとることができることを前提としている」と解したのです。
 この点が、第一の問題です。 …